黒田硫黄『茄子』(講談社) 1. 1~2巻 これを読んだのは夏。 わたしの部屋はクーラーがないので、これを読むためにカプセルホテルに泊まり、1晩中くりかえし読んでいた。 オムニバス形式。 茄子にまつわる、形容しがたい話の集合体。 1読目はおもしろくなかった。しかし麻薬のようにじわじわきいてきて(知らないけど)、ついに中毒に。なんか入ってるのか、これ。 ひとつだけあげるとすると、「国重」という女の子、というか女性というか、が出てくる話。1巻の終わりにあって、2巻でもその続きの話がでてくる。 高校を卒業して、勤めもすぐやめた女の子。 キャッチボール仲間(元級友)の男の子とのしょうもないキャッチボールやゲームや引っ越しの手伝いの話がえんえんつづくという異常な漫画。 しかし、この女の子……、そうだなあ、どう言っていいのか。まったく無欲なのだ。「わたしさー、レンアイとかケッコンとかコドモ生むとか、そ