冬木 糸一とのクロスレビュー 人が入れない環境下の作業にはロボットが使用されつつあるが、そこで注目されているのがヘビ型ロボットだ。東電福島第一原発の原子炉格納容器内部を検査するにあたってもヘビ型ロボットが活用された。瓦礫が散乱する原発事故の現場では、わずか十数センチのすき間に入り込み、内部の様子を偵察できるロボットが必要とされ、細長くしなやかな動きをするヘビに着想を得たロボットが脚光を浴びたのである。 このように、近年、生物に着想を得たテクノロジーが増えてきている。「生物模倣」(ビオミミクリーやバイオロジカリー・インスパイアード)と呼ばれる、現在注目集める新たな分野だ。 イカの皮膚機能に似た軍事迷彩服の開発、ナマコの硬軟接続を真似したインプラント開発、トカゲ型ロボットなど、奇抜なテクノロジーが本書では数多く紹介されている。私たち人類は自分たちがついつい動物界のピラミッドの頂点にいると思いが