2016.06.28更新 たとえば芸人さんや役者さんがテレビに出るということが、村祭りの櫓(やぐら)に登って人気者になるようなことだとしたら、劇団を作って演劇をやるというのは、村のはずれにビールケースで勝手に舞台を作って何か始めるようなこと、に近いです。 櫓に登ろうとすると熾烈な競争を勝ち上がらないといけないし、踏むべき手順やマナーもあって、さらに櫓の上に居続けようと思えば並大抵のことではありません。テレビ櫓だけじゃなく映画櫓や音楽櫓もきっとあって、演劇櫓だってありますが、どれも同じく人が上にも下にも溢れんばかりにひしめいていて、そんな中で長らく櫓に立ち続けている人たちは、本当に屈強でしなやかな超人ばかりです。櫓の上はだからいつも面白く、そして村じゅうに見てもらえる。 そんな面白い櫓を夢中で見て育った僕たちが、なぜだか野原にビールケースを並べて段ボールを敷いて、劇団を始めました。段ボールっ