「デジタルアーカイブ」は日本で誕生した造語であるが、その源流は電子版アレクサンドリア図書館にあった。このデジタルアーカイブが生まれた1990年半ば、京都大学教授、情報工学者である長尾真氏は「アリアドネ★1」という電子図書館構想を発表していた。その長尾氏が京大総長を経て、2007年に当時衆議院議長の河野洋平氏の意向により国立国会図書館長に就任。2009年度127億円というかつてない高額予算のデジタルアーカイブ事業「大規模デジタル化事業」を実施、今年8月には「国立国会図書館 資料デジタル化の手引2011年版」を発行した。「アリアドネ」から17年を経て、現実に電子図書館に着手し、この大規模デジタル化事業を終えた現在の感想など、デジタルアーカイブに関することとともに、美術についても伺いたいと思いが募った。「知識は我らを豊かにする」というテーマを掲げ、精力的に知識インフラ整備を推進する長尾国立国会図