独立運動を進めてきたスペイン北東部カタルーニャ州のマス州首相が、憲法裁判所の判断に従わなかったとして高等裁判所に被疑者として召喚される。同裁判所が9月29日、発表した。昨年秋に、憲法裁が差し止めた非公式な「住民投票」に踏み切ったことが、背任や公金の悪用にあたるとして検察当局が訴追に乗りだし、予審が始まっていた。 マス氏らが率いる独立派は、9月27日の州議会選で過半数の議席を占めた。欧州メディアによると、高等裁は選挙が終わるのを待って召喚を発表したが、独立派は「中央政府の政治的攻撃だ」と反発。独立を認めない中央政府と、カタルーニャの独立派との対立がさらに深まりそうだ。 召喚は10月15日。投票所に学校の利用を認めたことなどから、州の教育長官や当時の副首相も同13日に召喚される。(パリ=青田秀樹)