見直される「満鉄調査部」=農村報告100巻出版へ−抗日70年記念も背景・中国 戦前に「満鉄調査部」が行った農村報告を中国語に翻訳して出版された「満鉄調査」の第1巻 【北京時事】戦前日本の国策会社「南満州鉄道株式会社(満鉄)」の「頭脳」として調査・研究活動を行い、優れた中国情報を集めた「満鉄調査部」が中国に残した膨大な農村報告を中国語に翻訳し、出版する事業が本格化していることが分かった。事業を展開する華中師範大学(湖北省武漢市)の複数の関係者は取材に「10年以内に100巻を出版する計画で、全部で1億字に上る」と明かした。中国国内では「旧日本軍の侵略過程で行われた」と批判の強かった満鉄調査部の「成果」が見直される動きが強まっている。 満鉄調査部は、旧日本軍の中国進出の参考資料として、中国各地の農村でフィールドワークを行い、村民らからの聞き取りをまとめた大量の報告書を作成した。同大中国農村研究