タバコとの悪縁切りを願う記者。「人を呪わば穴二つ」だ(京都市東山区・安井金比羅宮) 京の都では、災害や疫病、権力争いの敗北など、身に降りかかる不幸は「呪い」だと恐れられてきた。菅原道真の怨霊を鎮めるため北野天満宮(上京区)が創建され、貴族たちが呪術を使う陰陽師を重宝したのは有名な話。現代の呪術事情を探った。 ■丑の刻参りを代行 まずは「呪術師」に話を聞かないと始まらない。インターネットで検索すると、「呪い代行」の広告が数多く出ている。その一つ、京都市下京区に本部を置く日本呪術協会を訪ねた。 「依頼に基づき、丑(うし)の刻参りを行います。わら人形にくぎを打ち付ける、あれです」。呪術師範という男性(46)が取材に応じた。協会には全国に35人の神職や僧侶が所属し、自分の寺社で行う。料金は2~5万円とか。 「20年ほど前は夫の不倫相手を呪う女性の依頼が大半でしたが、今はパワハラ上司を恨む男性が増え