コペンハーゲン中心街の町並み(筆者撮影:2016年6月)medit.tech編集部の河田です。 高齢化が現実となるにつれ、福祉国家として立国を果たした北欧を先例として学ぼうという動きが活発になっています。その中でもよく取り上げられるのが“世界で一番幸福な国”と呼ばれて久しいデンマークです。実は今年の春頃にご縁があり、デンマークの高齢者ケア、とりわけ認知症ケアについて学びを機会をいただき視察へまいりました。今回はその時の雑感をお伝えしたいと思います。 『高齢者三原則』を打ち立てたデンマークその前に、デンマークが現在の高齢者ケアを確立した経緯をお伝えできればと思います。1960年頃から高齢化の兆しが見え始めたデンマークは、当時は日本でいうところの特別擁護老人ホームにあたるような大規模な「プライエム」を建設し、高齢者はそこで暮らしてもらうという政策をとっていました。現在の政策とは真逆の方向です。