カイロで28日、デモ隊に対し放水銃で対処する治安部隊=AP 【カイロ=北川学、貫洞欣寛】ムバラク大統領の退陣を要求する反政府デモが続くエジプトで28日午後(日本時間同夜)、イスラム教の金曜礼拝後の「怒りの金曜日」と名付けた大規模な抗議行動が全土で始まり、各地で千人を超える規模のデモが起き、治安当局と衝突した。治安当局は首都カイロなどのモスク(イスラム礼拝所)周辺に大量の治安要員を配置して警戒を強化しており、25日に始まった反政府デモは最大の山場を迎えた。 カイロ近郊ギザでのデモには数千人が参加、制圧に乗り出した治安当局が空中に向けてゴム弾や催涙弾を発射、放水銃も使われた。衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ギザのデモに国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏が参加、同氏の周囲を複数の治安当局者が取り囲み、移動を阻止したという。 一方、カイロの大統領官邸近くにも、市民が集