(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使) 「韓国経済は日本を超えた」と言われるほど目覚ましい発展を遂げている。実際、最近までは、日本経済より活力があるという見方が強かった。 日本経済研究センターは、2年前に「2027年には韓国が名目GDPで日本を上回る」との分析を公表した。また世界銀行は、購買力平価(PPP)に基づく一人当たりGDPでは、2018年に韓国は日本を超えたとしている。 個別企業を見ても、サムスンやSKの半導体事業は日本企業のそれを完全に追い越している。 しかし、それでも韓国の経済の未来は必ずしも安泰ではない。まず韓国のウォンは基軸通貨ではないため通貨変動には脆弱な面がある。また韓国の輸出は8カ月連続で減少し、貿易収支は15カ月連続で赤字である。今年1-3月期の韓国の成長率は0.3%で日本より低い。 さらに深刻なのが少子高齢化だ。特殊出生率は0.78人で、人口減少の危機を叫ぶ日本の1
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