芥川賞受賞者の平均寿命は受賞を逃した候補者(落選者)より長いのに、直木賞の受賞者は候補者より短命――。大竹文雄・大阪大学社会経済研究所教授と佐々木周作さんら大学院生のグループが、28日に開かれる行動経済学会で、こんな研究結果を発表する。 芥川賞は新進作家の純文学、直木賞は中堅作家の大衆文学に贈られる。1935年の創設以来計341人が受賞。研究では、候補になった1056人中、戦死など不可抗力で死亡した人を除く日本人男性計704人を調べた。 そのうち、既に亡くなった381人の平均寿命を単純比較すると、芥川賞は受賞者が74・8歳で、落選者を6・2歳上回った。直木賞は、受賞者は73・3歳で落選者より2・4年短かった。 次に、存命者も含めた計704人について出身地など寿命に影響する他の要素を調整して比べた。初めて候補になった年以降の平均余命(予測値)を比べると、芥川賞受賞者は落選者より3・3年長かっ