「第17回 ITmedia エグゼクティブセミナー」の基調講演で、一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授 楠木 建氏は、『究極の競争優位をもたらすものとは何か』と題し、「ストーリー」という視点から企業の競争優位がどのように形成されるかについて語った。 戦略の神髄とストーリー 500ページにも及ぶ大部のビジネス書にもかかわらず、異例のベストセラーとなった「ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件」(東洋経済新報社刊)の著者、楠木 建氏は「自分が楽しめない、面白がれない話で人と組織を動かしビジネスをしようというのは、ほぼ犯罪行為だ」と話す。なぜなら、面白くない、つまらない、楽しめないストーリーによって作られたビジネスプランは、ほぼ成功したためしがないからだ。うまくいかないビジネスに無理やり付き合わされて、疲れるだけの毎日を送らされるなんて、確かに犯罪に近いのかもしれない。 「しかしね。楽