『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(2024年)が大変だ。日本国内で異例の大ヒットを飛ばしている。洋画不況が叫ばれ、全米No.1ヒットのハリウッド超大作に閑古鳥が鳴くことも珍しくない昨今、小規模公開で始まった外国映画が、ここまで話題なのは奇跡的と言ってよい。少なくとも村は完全に出来上がっている感があるので、村社会現象くらいは確実に起きている。果たしてなぜ同作はここまでヒットしたのか? 今回の記事では『トワイライト・ウォリアーズ』が多くの人々の心を捉えた理由を分析しつつ、その魅力を総括していきたい。 まず私は『トワイライト・ウォリアーズ』の最大の魅力として、アンサンブル映画的な面を挙げたい。本作には個性豊かなキャラクターがいっぱいだ。主人公格である陳洛軍(レイモンド・ラム)を含む“城塞四少”こと、信一(テレンス・ラウ)、四仔(ジャーマン・チョン)、十二少(トニー・ウー)。この4人
