インド唯名論と実在論 http://yojiseki.exblog.jp/8774845/ 『ウパデーシャ・サーハスリー』: (千の教説、シャンカラ著)最近岩波文庫でヒンズー教唯名論の古典が再刊されたので、以前書いた関連著作の書評を採録します。 ☆図 インド哲学七つの難問 (講談社選書メチエ) (単行本) 宮元 啓一 (著) 哲学における失われたミッシングリンクとして、今後重要となるであろう仏教以外のインド哲学(ヒンドゥー教側)の紹介である。 類書よりも本書をわかりやすいものにしている、実在論のヒンドゥー教側と唯名論の仏教側の論争という構図は、著者も言うようにおおざっぱな位置づけとしては有効だろう。 それは中国において老子と孔子が、西欧哲学においてスピノザとカントがあるようなものだ。 ただ、ヒンドゥー側に立つ著者には少し「外道」としてのコンプレックスがあり、それが参考文献の紹介の少なさに加