旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナで、内戦末期におよそ8000人が虐殺された事件から20年を迎え、現地では犠牲者を追悼するための式典が開かれました。 それから20年となった11日、町の集団墓地では虐殺の犠牲者の遺族や関係国の首脳ら5万人以上が参加して追悼式典が開かれ、当時、アメリカの大統領を務めていたクリントン氏が、「今も世界には民族や宗教などによる争いが絶えない」と述べ、平和の尊さを訴えました。 続いて、この1年間に新たに身元が確認された136人の名前が読み上げられた後、遺骨を納めたひつぎが埋葬されました。遺族の中には涙を流したり、力が抜けたように座り込む人もいて、会場は悲しみに包まれていました。 この虐殺では、発覚を恐れたセルビア人武装勢力が遺体を別の場所に埋め直したことなどから犠牲者の捜索は難航しており、今も1000人以上の行方が分かっていません。 当時25歳だった息子の遺骨