漢文訓読にはさまざまな方法があった 漢文の訓読と言ったときに、みなさんは学校教育で学んだ決まりを思い浮かべることでしょう。例えば、句読点や返点(レ点、一二点、上下点)、送り仮名などの使い方です。これらのきまりは中学校一年の「国語」で扱われています。 このようなきまりが学校教育の中で統一されたのは、文部省からの調査嘱託を受けた服部宇之吉(1867-1939)らが明治45年(1912)3月29日に報告した「漢文教授ニ関スル調査報告」以後のことです。この報告書の全文は『官報』第8630号に掲載され、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2951987)でご覧になれます。それ以前は、同じ訓読といっても実にさまざまな方法があって、しかも流派(学派)ごとに読み方が違っていたようです。 服部宇之吉 (『日華学会二十年史』国立国会図書館デ