4 黒人音楽から白人音楽への転化 4.1 アメリカ社会の動き 黒人音楽は、1950年代から60年代にかけて拡大を始めた。そして、その舞台となったのは、アメリカである。黒人音楽の具体的な論に入る前に、1950年代から60年代にかけての、アメリカの社会的な動きについてふれておきたい。 第二次世界大戦に勝利を受け、1950年代のアメリカにおいて、国民の生活水準は向上した。それを受けて、労働者の中産階級化が進んだ。しかし、そのような繁栄の一方で、合法的な人種差別や、性差別、冷戦状況下での保守主義の台頭など、暗い面も存在していた。冷戦状況下において、反共産主義がとられ、個人の自由、正義が抑えつけられた。 1960年代は、暴力が頻発した時代だった。そして、アメリカ人の価値観を左右する社会的に大きな動きが二つ存在した。一つは黒人の公民権運動の活発化であり、もう一つはヴェトナム戦争の反戦運動である。 アメ
1948年にビルボードマガジンのJerry Wexlerが、それまで長年「Race music」という差別的用語でジャンル分けされていた黒人音楽を、もうやめようじゃないか、という事で新しく作ったものが「リズムアンドブルーズ」という名称で、これはWexlerが作った造語であり、目的はレコード会社が市場の売上を効果的に行うためのものだ。これはクラシックとゴスペルを除く全てのアフリカ系アメリカ人音楽を意味する包括的用語だ。ただし、このジャンルは結構曖昧で、1950年代初頭にはブルーズに対して使われる事が多かった。比較的多くの人間は、ジャンプブルーズをR&Bと呼ぶ、と考えていた者も多かったようだ。60年代にロックンロールがはやり始めると、R&Bは、シカゴスタイルを源流とするエレクトリックブルーズを指すようになる。そして、R&Bは70年代に入ると、ソウル・ファンクを表す用語として使われるようになり、
高校生の君達が知りたいのは、クラシックや日本伝統音楽ではなく、きっとロックだと思う。そこでこれから四回に渡ってロックの歴史を追いかけてみたい。今回は、ロックの歴史を押さえるために、北米黒人音楽、それもブルースの話をしたい。 なぜか?それはロックだけでなく、現代のポップ音楽の潮流の源泉が、この北米黒人音楽にあるからである。つまり、ロックだろうがR&Bだろうがヒップホップだろうが、元をたどれば、この世界に来るからである。元を知っておくのも悪くはなかろう(別に知っていたから偉いわけじゃないが、無駄な混乱は減るものである)。 まあ、高校生の君達の大半はよさがすぐには分からないだろう。が、中には耳が付いている者もいるかもしれない(あまり期待はしていないが)。そうした君の為にも、音源を見つけ次第、貼りつけてゆくつもりだ。また、今は網羅しようという気ないから穴だらけのリストだが、いつか更新するかもしれな
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く