機知に富んだ消しゴム版画を添えたテレビ評論で時代を画したコラムニスト、ナンシー関さん。2002年に39歳の若さで急逝した才能を悼み、没後12年となる今年、東京・渋谷で展覧会が開かれる。「毒舌」の一言ではくくれない魅力を再発見する場になりそうだ。 14日から渋谷のパルコミュージアムで開かれる「顔面遊園地 ナンシー関 消しゴムの鬼」。開催に先立つ9日にトークショーがあり、満席の会場には若い世代も目立った。■中庸な存在で「異常」見抜く 壇上でイラストレーターのみうらじゅんさんは、「ナンシーさんに目をつけられる人間にはなりたくなかった」と語り、芸能人の「異常」を見抜いたのは、自身が中庸な存在だったからと振り返った。イラストレーターの安齋肇さんは消しゴム版画について、「タモリさんも『やっぱりすごいな』と感心していた」。 ナンシーさんは青森市出身。法政大在学中から消しゴム版画の腕前を認められ、93年に