さまざまな不満をかかえていた日本国民が、対米開戦と奇襲成功の報道に歓声をあげたことも事実ではあった。 しかし、開戦すれば必ず負けるという結果が出たシミュレーションや*1、日本軍が戦地でどのような状況におかれどのような行動をとっていたか*2、そうした情報が広く公開されていればどうだったろうか。 戦争への流れを止められないまでも、国民全体が開戦を支持したなどという誰も責任をもてない状況にはならなかったのではないか……そんなことを今さらながら、つらつら考えている。 *1:猪瀬直樹都知事が、作家時代に手がけたノンフィクションで知られている。つい最近の2011年に自ら解説を書いているのが、今年の状況と比べて皮肉だと感じる。http://www.chuokoron.jp/2011/11/16.html *2:『NHKスペシャル』で描かれた従軍作家のように、メディアの側が一方的に戦意高揚記事を書いたわけ