この春に転職し、いきなりプロジェクトマネージャーに就任した。クライアントから案件を受注しサービス上でリリースする、いわゆる純広告型メディアアプリのプロジェクトだった。前任者は逃げるように辞めていったらしく、引き継ぎもなかった。 3月。まずはお互いの自己紹介がてら、プロジェクトメンバーにヒアリングすることから始めた。よくある話だが、外から来た人間が下から目線で「お仕事どうですか」と訪ねると、決まって愚痴聞き御用聞き大会になる。「あの人はよくミスをして大変」「プロジェクトの方向性がわからない」「現場でハンドリングすべきだ」…で?「任せた」 4月。マネージャー業務だけでなく、個別の案件進行も担当することになる。右目でクライアント対応をし、左目で「俺をもっとその気にさせて気持ちよく働かせるのがマネージャーの仕事では」と叫ぶ内外のプロジェクトメンバーに曖昧な笑顔を浮かべる。 5月。巨大案件に対し、上