多様に存在するメイドブーム=日本の「メイドの曖昧性と特徴」 「メイドブーム」という言葉で検索をすると、「メイドブームは終わった」という声を見かけます。しかし、ここでいう「メイドブーム」は非常に曖昧だと私は思います。語り手によって「メイドブーム」の内容が異なるからです。 2005~2006年ぐらいに見られた「メイド喫茶の出店ラッシュ」をメイドブームとする人もいれば、アニメ版『まほろまてぃっく』(2001年,2002年)をメイドブームの牽引役とする紹介テキストもあります。詳しい方の間では、作品内で脇役だったメイドを「主体」にした『殻の中の小鳥』(1996年)がメイドブームを起こしたと周知されています。 これらは、観測者によって「メイドブームの定義」が異なることで生じています。日本のメイドブームは私の観測では5回あります。そのピーク・世間に広く届いたのが「メイド喫茶ブーム」(私の定義では第4期: