ゲームと音楽。それは欠くことのできない関係だ。 しかし「ファイナルファンタジー」シリーズなど多数のゲームを制作するスクウェア・エニックスのサウンドチームで、サウンドディレクターを努める祖堅正慶氏は「自己紹介の際に『音楽を作っています』ではなく、『音(サウンド)を作っています』と言うことにしています」と話す。 それでは「音楽とサウンドの違い」とは何だろう? DAWの取材を通じて、祖堅氏のお話を聞いているうちに、世界を作り出し、そこにプレイヤーを没頭させる、ゲームのサウンド制作ならではの工夫や苦労を知ることができた。 音楽ではなく、音を作るという言葉に込められた意味 「音楽は、ゲームにとっては数ある要素の中のひとつにすぎないのです。ゲームの要素というと、グラフィックスがあって、ボイス(声優によって吹き込まれたセリフ)があって、プレイヤーさんがいて、音楽の鳴らないシーンにも環境音があって……。い