電気自動車ブームは突然やってくる? なぜ、こうなってしまうのだろう。 ドイツでは近い将来、皆が先を争って電気自動車を買うようになるといったシナリオが、まことしやかに作り上げられている。ドイツの政治家には、脱原発、難民問題などに見られるように、極端から極端に振れる傾向がままあるのだが、今回もそれなのだろうか? 現在、ドイツで走っている車の3台に1台はディーゼル車だ(ちなみにEU全体でのディーゼル車の割合は53%、日本はわずか2%)。圧倒的な人気を誇っていたそのディーゼル車が、2年前の排ガス値改ざんスキャンダルの後、たちまち悪の権化になってしまった。とりわけ、スキャンダル震源地であるVW(フォルクスワーゲン)の信用失墜は激しい。国民も大いに失望した。 ところが、そのあとの展開がすごい。あれよ、あれよという間に、「ディーゼル車もガソリン車もダメ。これからは電気自動車だ!」という高らかな声があがり