『機動戦艦ナデシコ』の企画設定は、色々な人のアイデアがぶち込まれているだけに、なにやら本格的に聞こえるSF的発想、SF的用語、登場人物も、いささかパターンではあるが、様々なタイプが右往左往している。 企画当初から参加しているならまだしも、脚本を書き始める時点で参加したかたちの僕には、複雑かつ膨大な設定がちんぷんかんぷんだった。 飛び交うSF用語も、おおよその意味はわかるのだが、とてもマニアックで憶え切れない。 だからといってハードなSFかと思えば、登場人物の行動はほとんどコメディである。 戦艦の名前からして「ナデシコ」を筆頭に、味方の戦艦は花の名前「コスモス」「カキツバタ」etc、敵の兵器は「バッタ」「ゲンゴロウ」など虫の名前が多く……。そればかりではない、この作品全体に登場するいろいろな名称は、日本の古代神話をネタにしたものから、おそらくSF考証の人が名づけたのだろう、本格SFに登場する