NHK「新・映像の世紀」第3回「時代は独裁者を求めた」は録画して何度もみた。いろいろな発見があった。国会放火事件を「奇貨」として一気に制定された「授権法」(Ermächtigungsgesetz)(別名「全権委任法」、正式名称は「民族および国家の危難を除去するための法律」1933年3月24日)の制定の様子がリアルに描かれていた。議会を突撃隊(SA)が取り囲み、共産党議員は身柄拘束されて議場に入れなかった。議場で反対討論する社民党(SPD)党首の声を初めて聞いた。「強権によってもたらされた平和は認められるべきではない。その根底に正当性はあるのか」と。ヒトラーは猛烈に怒り、「私はお前たちの票など欲しくない。(この法律で)ドイツは自由になるのだ」と叫んだ。この法律は、二重の意味での「法の下克上」(「政・府・が・制・定・した法律は、・・・憲・法・に・違・反・することができる」(2条))である点に注