政府は6月30日、皇族数確保策を盛り込んだ皇室典範などの改正案を臨時閣議で決定した。今後は審議に入り、今国会での成立を目指す構えだ。皇室史に詳しい島田裕巳さんは「当初は『静謐な環境』での改正議論が強調されたものの、今や、それとはほど遠い状況にある」という――。 政争の具となってしまった皇室典範改正 皇室典範の改正をめぐる動きは、今や政治上の争いの様相を呈してきた。 当初は「静謐な環境」での議論が強調されたものの、今や、それとはほど遠い状況にある。その典型が、連立を組む自民党と維新の会とのあいだで改正案に合意がなされる直前、維新の会が異議を唱えたことである。 維新の会は、女性皇族の結婚後の身分保持に反対するとともに、旧宮家からの養子について「15歳以上とする年齢制限はおかしい」とかみついたのだ。結局、数に勝る自民党に屈し、維新の会は、改正案の成立を優先するとして、自分たちの考えを取り下げた。

