水戸市で昨年8月、糖尿病のインスリン注射後の運転中に意識を失い7人死傷の玉突き事故を起こしたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた同市黒磯町の無職、大図(おおず)正勝被告(68)に対し、水戸地裁(大畠崇史裁判官)は6日、禁錮6年(求刑・禁錮7年)を言い渡した。 起訴状によると、大図被告はインスリン注射直後に食事を取るよう医師に指導されていたのに昨年8月6日、注射後に食事せずに乗用車を運転し、同日午後7時10分ごろ、低血糖のため意識障害に陥り、同市河和田の国道で信号待ちしていた乗用車に追突。茨城県ひたちなか市の配管工の男性(当時29歳)ら3人を死亡させ、4人に軽傷を負わせたとされる。 弁護側は「事故時は意識不明で心神喪失。家を出る際にまともな運転をしており、意識不明は予測できなかった」と無罪を主張していた。【岩嶋悟】
政府の閣議や閣僚懇談会の議事録作成に関する作業部会(座長・藤本祐司副内閣相)は10日、閣議と閣僚懇の議事録を今後作成し、30年後の公開を義務づけるよう求める最終案をまとめた。公文書管理担当の岡田克也副総理と藤村修官房長官が共同座長を務める検討チームで検討を重ね、月内に正式決定する。 最終案は、閣議と閣僚懇の議事録を「国民が政策を検証するための歴史資料」と位置づけ、閣僚の「主要な発言」を記録の対象としている。公文書管理法を改正し、原則30年で国立公文書館に移管し、同館のホームページ上で公開するよう要請。現行制度では、発言者などを明記した閣議の議事録はなく、閣僚が自由に意見交換する閣僚懇は記録も残らない。【影山哲也】
【ソウル澤田克己】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領による竹島上陸(8月10日)に端を発する日韓関係悪化が、両国間の懸案である従軍慰安婦問題にまで飛び火している。李大統領の言動に反発した日本の政治家が、慰安婦問題で韓国側の反発を呼ぶ発言をし、韓国側の対応がさらにエスカレートしており、専門家の間には双方に自制を求める声も出ている。 李大統領は8月13日、竹島に行った理由と関連して「日本が内政的理由で(慰安婦問題に)消極的な態度を見せているので、行動で見せる必要を感じた」と述べた。ただ、この時点では、慰安婦問題が焦点となる気配は大きくなかった。 流れが変わったのは、韓国でも知名度が上昇している橋下徹大阪市長が21日、慰安婦の強制連行はなかったとして「証拠があったというのであれば韓国の皆さんに出してもらいたい」と述べたことだ。橋下氏は24日には、慰安婦の募集や移送などに強制性があったことを認め
脱毛や豊胸手術などの美容医療のホームページ(HP)で受診をあおる表現が目立つため、厚生労働省は「手術件数日本一」などの実績を強調する表示は控えるよう求める指針をまとめた。美容以外の医療機関も対象で、今月中にも関係機関に通知する。 指針では、優位性を強調する「日本一」「県内一」や「最高」のほか、「芸能プロダクションと提携」「著名人も推薦」などの表現は、他の医療機関より著しく優良と思わせてしまうとして、事実でも不適切事例とする。 このほか、「キャンペーン実施中」「治療し放題プラン」も過度に受診をあおり、「どんな手術も必ず成功」は医学的に困難で虚偽事項に当たるとして掲載すべきでないとしている。 医療法に基づき、医療機関の広告は比較や誇大広告が禁止されているが、利用者がネット上で自ら検索・閲覧するHPは、広告ではなく情報提供として規制の対象外だった。 しかし、利用者がHPを参考に受診機関を選ぶこと
大手検索サイト「グーグル」に実名などの文字を入力して検索する際、途中から予測文字や補足情報を表示する「サジェスト機能」を巡り、日本人男性がプライバシーを侵害されたとして、米国のグーグル本社に表示差し止めを求める仮処分を申請し、東京地裁(作田寛之裁判官)が申請を認める決定をしたことが分かった。だが、米グーグルは「日本の法律で規制されない」と拒否し、被害が救済されない事態となっている。決定は19日付。【中川聡子】 米グーグル拒否「日本の法律で規制されない」 男性側によると、男性の実名を入力しようとすると、途中からフルネームとともに犯罪行為を連想させる単語が検索候補の一つとして表示され、それを選択すると男性を中傷する記事が並ぶという。 男性は数年前、当時の勤務先で思い当たる節がないのに退職に追い込まれ、その後の就職活動でも採用を断られたり内定が取り消されたりする事態が相次いだという。このため調査
無資格で会社登記をしたとして、神奈川、千葉両県警と警視庁の合同捜査本部は8日、東京都墨田区京島1の行政書士、伊東秀樹容疑者(52)を司法書士法違反容疑で逮捕した。不正な会社登記が韓国人らの不法滞在に広く使われたとみて調べを進めている。 逮捕容疑は09年4月~10年4月、法務局への申請ができる司法書士の資格を持たないまま、いずれも韓国人を役員とする7社の設立申請を横浜地方法務局などに提出、登記したとしている。神奈川県警によると、7社はいずれも経営実態がなかった。短期滞在ビザなどで来日した外国人も経営者になれば長期在留資格が得られるため、役員として登記することで不法滞在に利用していたとみられる。 伊東容疑者には韓国人ブローカーが不法滞在しようとする韓国人を紹介。韓国人らは謝礼50万円程度をブローカーに渡し、伊東容疑者は44万円を受け取っていた。捜査本部は伊東容疑者がブローカーと組み、他にも20
1日の平均睡眠時間が5時間以下の人は、7時間超の人と比べて糖尿病発症の危険性が5倍以上高くなることが、旭川大や北海道大などの分析で分かった。喜多歳子・旭川大助教(地域看護学)は「適切な睡眠が発症予防につながる可能性がある」と指摘する。米糖尿病専門誌「ダイアベーテス・ケア」電子版に掲載された。 研究チームは03年度、糖尿病ではない35~55歳の地方公務員の男女3570人を対象に睡眠時間や眠りの満足度などを調べた。その結果、07年度までの4年間で121人が糖尿病を発症していた。 うち、親や兄弟姉妹に糖尿病患者がいない人の発症リスクは、睡眠が5時間以下の人は7時間超と比べて約5.4倍高かった。また、睡眠不足を感じている人は感じていない人より約6.8倍、「夜中に目が覚めることが深刻な問題だ」と答えた人は、そうでない人より約5倍、それぞれリスクが高かった。 欧米の研究でも、睡眠時間が極端に短かったり
松村さんが餌を与え続けている飼い主を失った犬たち=福島県富岡町で2011年12月9日、松村直登さん提供(一部画像を処理しています) 東京電力福島第1原発事故で立ち入りが規制されている警戒区域(半径20キロ圏内)の福島県富岡町で、農業、松村直登さん(52)が自宅に一人とどまり続けている。警戒区域の外で毎日新聞のインタビューに応じた松村さんは「命を守るために法律で避難させていることは理解できる。しかし、何十年も避難するぐらいだったら、自分は短い間でも生まれ育った富岡で過ごしたい」と語った。【沢田勇】 ◇「非難はわかるが短い間でも富岡で過ごしたい」 松村さん宅は原発の南西約12キロに位置。富岡町内の残留者は一人だけという。震災から約1カ月後、松村さんも同県郡山市内に一時避難した。だが、すし詰め状態で避難所に横たわる被災者を見て「自分には無理だ」と思い、3日ほどで自宅に戻った。「『自分勝手だ』と非
裁判員制度の合憲性が争われた覚醒剤密輸事件の上告審判決で、最高裁大法廷が「合憲」とする初判断を示した。 1、2審で実刑判決を言い渡された被告・弁護側は、裁判官以外の国民が裁判を行うことを想定した規定は憲法上ないとした。その上で、裁判員制度は、憲法で保障された「公平な裁判を受ける被告の権利」や、「裁判官の独立」などの規定に違反すると主張していた。 最高裁は、憲法制定時の経緯にも触れながら、「憲法は国民の司法参加を許容している」と、15人の裁判官全員が一致して結論づけた。 憲法との適合性は、制度を作る時点で憲法学者も含め議論されていた。最高裁が明快に合憲判断をしたのは当然だろう。 注目されるのは、判決の中で「法曹のみによって実現される高度の専門性は、時に国民の理解を困難にし、その感覚から乖離(かいり)したものにもなりかねない」と指摘したことだ。 従来の職業裁判官による裁判の限界を冷静に自己分析
野田佳彦首相が就任して1カ月半。歴代首相が毎日応じてきた「ぶら下がり取材」を拒んだ結果、「生の声」で情報発信する場面が減っている。首相は10月3日、随時の記者会見を「ある程度の頻度でやっていきたい」と語ったが、その後、2週間近くたっても開かれていない。失言を避ける「安全運転」なのだろうが、民主党の小沢一郎元代表の初公判時など、必要なときに首相の見解をただせない不満がメディア側に高まっている。 野田首相が首相官邸で記者会見に応じたのは9月2日の就任時と、臨時国会が閉会した9月30日の2回。このほか、米ニューヨークで国連総会に出席した際の記者会見や、東日本大震災の被災地などを視察した現場での記者団とのやり取りもあり、藤村修官房長官は13日の記者会見で「9月の首相の記者会見などは11回。海外や(視察)現場を含めてそれなりに発信している。これを続けていきたい」と強調した。 しかし、原則として平日は
【ベルリン篠田航一】財政危機があろうとも、ギリシャ人は8割が幸せ--。独ハンブルクの未来研究財団とブリティッシュ・アメリカン・タバコ社が実施した「幸福度」に関する欧州の世論調査で、こんな結果が浮かび上がった。 欧州13カ国計1万5000人が対象。「私の人生は幸せだ」と答えた人の割合は、福祉国家デンマークが96%で1位だったが、2位はギリシャ(80%)、3位は同様に財政危機の渦中にあるイタリア(79%)が続いた。逆に欧州一の経済大国ドイツは61%と下から3番目。生活水準の高さとは逆に「悲観的」な姿が浮き彫りになった。 国別で幸福度に差があるが、どの国でも共通して男性より女性、都市住民より地方住民、独身者より既婚者の方が幸福度が高かった。研究財団代表のラインハルト氏は「不透明な時代だが、各国とも世代が若いほど幸福度が高いのは明るい材料だ」と分析している。
カタルーニャ国際賞の授賞式で、スピーチする作家の村上春樹さん=スペインのバルセロナで2011年6月9日、ロイター 9日のスペインのカタルーニャ国際賞授賞式で配布された作家村上春樹さんの受賞スピーチの原稿全文は次の通り。(原文のまま) 「非現実的な夢想家として」 僕がこの前バルセロナを訪れたのは二年前の春のことです。サイン会を開いたとき、驚くほどたくさんの読者が集まってくれました。長い列ができて、一時間半かけてもサインしきれないくらいでした。どうしてそんなに時間がかかったかというと、たくさんの女性の読者たちが僕にキスを求めたからです。それで手間取ってしまった。 僕はこれまで世界のいろんな都市でサイン会を開きましたが、女性読者にキスを求められたのは、世界でこのバルセロナだけです。それひとつをとっても、バルセロナがどれほど素晴らしい都市であるかがわかります。この長い歴史と高い文化を持つ美しい街に
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