本コラムでギリシャ問題に悪のりした増税キャンペーンが行われていると書いたが(5月10日付け「菅財務相も騙される「ギリシャ問題」に悪のりした増税キャンペーン」)、まさに参院選挙で、菅直人総理の街頭演説でそれが実行されている。 私はテレビをあまりみないが、ワールドカップをみようとしていたら、菅直人首相の街頭演説を聞いてしまった。 曰く、消費税は上げたくないが、上げざるを得ないという。財政破綻危機のあるギリシャの例を持ち出し、「誰が一番被害を受けるか。ギリシャで最初にやられたのは、年金と給料のカットなんです」と言っていた。 あたかも、国民の年金と給料を守るためには、消費税を増税しなければいけないといっているようだ。 事実はどうか。 まず、ギリシャの消費税率は、今年3月に19%から21%、5月に23%へと引き上げられた。それとともに、年金の給付はカットされ、「公務員」の給与もカットされる。ギリシャ