基地推進派と基地反対派の一騎討ち。今回の沖縄県知事選は、そうした構図で語られがちだ。しかし、それほど単純な話として捉えていいのか。「本土」からは見えないものがあるのではないか。ノンフィクションライターの石戸諭氏が、選挙戦真っただ中の沖縄で要人たちに話を聞き、その複雑な感情の地層に触れた。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 沖縄県政を知り尽くした元沖縄県知事・稲嶺恵一。1998年、経済界を中心とした支持のなか擁立され、自民党のバックアップを受けて「基地反対派」から県知事の椅子を取り返した人物である。今年8月に急逝した翁長雄志前知事とは深い関係を結んでいた。葬儀でも弔辞を読みあげた稲嶺は、この知事選をどう見るのか。友人・翁長、そして真のオール沖縄への思い——。 翁長氏が受けていた「誤解」 《翁長君のことを本土の人たちは誤解しがちです。なんで彼が左、革新の政
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