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渡辺公三 立命館大教授 現代思想の巨星墜(お)つ−。その喪失感は日々大きくなりこそすれ、薄れることはない。 この3年ほどレヴィ=ストロースの業績を見直す作業をしてきた。そしてほぼ80年にわたるそのたゆみない明晰(めいせき)な思考が、「徹底して考える」という意味でラジカルな姿勢を貫いたことを、あらためて確認できたように思う。 レヴィ=ストロースは構造主義人類学を確立したといわれる。 ロシア出身のヤコブソンが、互いに対立する限られた数の言語音の組み合わせから成るシンプルな「構造」が、言語を成立させることを証明した。レヴィ=ストロースは、ナチスの難を逃れ亡命したニューヨークでヤコブソンに出会い、その言語学の教えから、ヤコブソンさえ予想していなかったすべての帰結を引きだそうとした。 人が無意識に聞きわける言語音の「構造」が、「自然」の生んだ生物の一員としての人間を、「文化」をもった人間へと変容させ
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