内戦で1千万人が飢餓の危機にある中東イエメンを逃れた人々が、隣国ジブチで朝日新聞の取材に応じた。昨年12月、支援物資を搬入できる港湾都市ホデイダでの停戦合意が結ばれたが、政府機関が機能するエリアは限られ、一部では武装グループによる殺人や強盗が横行する。反政府組織による監視も厳しく、国民は息を潜めて国際社会の支援を待っている。 イエメンは2011年の民主化運動「アラブの春」が波及して当時の政権が崩壊。権力を移譲された暫定政権と、反政府武装組織フーシによる内戦が15年に勃発した。暫定政権はサウジアラビア、フーシはイランの支援を受けており、地域覇権を争う2カ国の「代理戦争」になっている。 フーシが支配する首都サヌアを昨年末に逃れた元政府職員サブリー・ザイードさん(49)らによると、国内では複数の武装組織が活動する。警察が機能せずに治安が悪化。流出した武器を持つ市民も多く、夜間は外出できない地域も