最近、友人と話していた時のこと。 彼女が好きなバンドの話を何気なく振ると、「ああ、もう飽きた、興味ない」と言われ、なんだか軽く傷ついた。 それは私もそのバンドがうっすらと好きだったからで、少し前までその話題で盛り上がっていたのに盛り上がれなくなったのが残念、というのがひとつ。そしてあまりにも簡単に、かつ罪悪感なく「飽きた」と言い切るその清々しさになんだかショックを受けたのだった。 それは自分もある意味で「飽きられたら終わり」の物書きという仕事をしているからなのだと思う(友人は会社員)。思えば物書きになってからの24年間、私はどこかでずーっと読者やメディアの「飽き」問題を意識してきた。 特に私は2007〜09年頃の「貧困問題」ブームを経験している身。08年末から09年にかけての「年越し派遣村」とか、あの辺りのことである。「懐かしい」と思った人もいるだろう。ちなみに私も知らない人から「懐かしい