伊豆諸島の八丈島近海で転覆した漁船「第一幸福丸」(8人乗り組み、19トン)の船体から4日ぶりに救出された乗組員3人のうち、鳰原(にゅうばら)貴光さん(33)(静岡市駿河区)は、第3管区海上保安本部の潜水士に助けられた時の気持ちを病院でそう語った。 奇跡の生還から一夜明けた29日、3人はいずれも元気な様子で、朝食では大盛りのご飯を平らげた。ただ、残る4人の乗組員は行方不明のままで、安否を気遣う声も漏れたという。 3人が入院している東京・八丈島の町立八丈病院の沖山みよ看護師長(57)が29日午前、記者会見して3人の様子などを語った。 同病院の医師らによると、鳰原さんは漁船が転覆する前の24日の朝食後、海がしけて激しい船酔いに見舞われ、船内の「居住区」と呼ばれる部屋で休んでいた。救出された宇都宮森義さん(57)(静岡県下田市)と早川雅雄さん(38)(大阪市平野区)もその日の昼食を取った後、居住区