小児がんの治療や脱毛症などで頭髪を失った子どものため、長い髪を切って寄付する人が増えている。集まった髪で作ったウイッグ(かつら)を贈る「ヘアドネーション(髪の寄付)」で、賛同する美容室は急増。「捨てるだけの髪で、子どもたちが笑顔になってくれたら」と、子どもや男性、人気女優からの寄付も。この活動を支える人たちの「思い」を知りたくなった。【鈴木梢】 東京都内に住む大学生の村上陸人さん(20)は、爽やか好青年という印象とは違う意外な言葉を漏らした。「今年の春までは、飲食店でアルバイトをしたくても断られてしまうだろうと考え、諦めていました」