資本主義が未来をつくる、という前向きな本に、曰く言い難い違和感を感じたということを先日書きましたが、そんなときにふと書店で手にとった本がこれでした。『千夜千冊』というぶったまげるような書評集を出し博覧強記で知られる、松岡正剛氏(セイゴウ先生と呼ばれたりするらしい)の『世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義』という本です。 16世紀からの、国民国家が形成されて資本主義と自由主義が生まれて拡散していく歴史を、文字通りタテヨコナナメに語っていきます。講義から起こした本なので、その語り口はやさしく、500頁近くの本ですが週末に一気に読みました。 この本は「資本主義の岐路」の一つ(の可能性)を、日本的なるものの中に示唆しているという点で、いろいろ考えさせられるものがあります。最初の章から少し抜書きしてみましょう。 <たとえばわれわれはいま、「民主主義」とか「資本主義」とかいうとても大きなしくみの