連載:EVはカーボンニュートラルを目指す 前編では、LCA(ライフサイクルアセスメント)を通じても、EV(電気自動車)の方がガソリン車よりもCO2排出量が少ないことを示した。さらに、石炭火力が多い中国においても、EVの優位性があり、将来的にも脱炭素化が進んでいることを示した。産業技術総合研究所 櫻井啓一郎主任研究員は、むしろ問題は日本だという。 EVによる電力需要増よりも早い再エネの電力供給増今後、電力由来のCO2が多いと指摘されるようになるのは、中国ではなく日本になるかもしれない。前編において、そのように指摘させていただいた。 ところが電力の脱炭素化は一筋縄では行かず、下記のような手段を組み合わせながら、段階的に進める必要がある。 火力発電の代わりとなる柔軟性資源を増やす[8]再エネや原発による供給量を増やす省エネを進める(特に建造物の断熱強化)そしてこの全ての項目について、EVの普及が