――科学分野だけではなく、オカルト・不思議分野にも造詣が深い理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ 一部の人々には、耳の付け根の前上方に、まるでピアスホールのような小さな穴が開いている。これは「先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)」と呼ばれる生まれつきの良性疾患で、奥はトンネルのような構造で軟骨まで伸びている。遺伝性と考えられており、発現率はヨーロッパ人で1~2%といわれているが、日本人では5~10%と比較的多くの人々に見られる。放っておいても問題ないが、炎症を起こしてしまう場合もあり、繰り返すようなら手術で取り除く方が良いともいわれる。 ■衝撃の事実! 穴はエラの名残 この小さな穴だが、実は胎児の頃の名残と考えられている。妊娠4週目くらいの胎児の頭部には、魚のエラ状になった部分(咽頭弓)が存在する。この部分は、後に顔面や頸部へと発達するのだが、その過程で本来ならば