古い本を読むと、今では失なわれてしまった変な表現を発見することができます。なかでも講談速記本は大正時代あたりまでは、常に時代の先端を走っており、個人的には非常に好きです。 奇妙奇的烈変的(きみょうきてれつへんてこ) 奇々怪々的変的(ききかいかいてきへんてこ)……何(どう)うも訝(おか)しい、余っ程大変しッかり訝(おか)しい いずれも講談速記本『寛永豪傑春日熊之亟』(玉田玉秀斎 口演[他] 樋口隆文館 明治四二(一九〇九)年 1909)より ちなみにこの時期にが『奇妙』『怪奇』『怪し』といった言葉が探偵小説で流行しはじめていました。もともと探偵小説は講談速記本の技術を取り入れ進化していったのですが、負けじと探偵小説の流行を講談速記本も取り入れていたという好例です。
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