昨晩、ボクは天才を目撃した。 グスターボ・ドゥダメル。 この人、21世紀を代表するマエストロになるのは間違いない。カラヤン以来の存在になるかもしれない。 というか、開いた口がふさがらなかった。 チャイコフスキー第5番。なんだこれ。え? これなに? こんなに熱くてエキサイティングで明るくて、でも繊細で正確で求心力のあるチャイコフスキー、一度も聴いたことがない。うねり、叫び、疾走する。なによりも聴いていて(見ていて)楽しい。 演奏後、口をぽかんと開けたまま、知らぬうちにスタンディング・オベーション。これほど自然かつ無意識にスタンディングしたのは生まれて初めてだ。 会場のほとんどがスタンディング。まるで欧米かのような歓声とブラボー。こんなクラシック・コンサート、観たことも聴いたこともない。コンサートというより「ライブ」である。 オケは10代20代による巨大編成なのだけど、それを見事にまとめきって