これまで海外M&A(合併・買収)を発表するたびに株価が下がっていた楽天だが、今回は違った――。 楽天は3月19日、電子図書館事業の世界最大手、米オーバードライブを買収すると発表した。買収額は4.1億ドル(約495億円)。オーバードライブは公共図書館などに貸し出し用の電子書籍を販売し、図書館は購入した電子書籍を貸し出す。消費者は図書館が扱う電子書籍を自分の端末に取り込み、一定期間内のみ無料で閲覧できる。 現在、オーバードライブは世界約50カ国で3万超の図書館や大学を顧客に抱え、2100万人が利用している。楽天は2012年に買収した電子書籍事業社コボとの相乗効果で電子書籍事業の拡大を狙う。コボ担当の相木孝仁常務執行役員は「楽天の電子書籍事業を中期で1000億円以上のビジネスに育てる」としている。楽天は先月にオーバードライブの全株式を取得し、完全子会社にした。 これまで海外M&Aを発表するたびに