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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (5)

  • “おまるカレー”問題 週刊プレイボーイ連載(45) – 橘玲 公式BLOG

    私たちはみんな、ヘビが大嫌いです。 赤ん坊に長くてにゅるにゅるしたものを見せると、怖がって泣き出します。これはサルの子どもも同じで、檻の中にヘビを入れると悲鳴をあげて逃げまわります。このことから、ヘビに対する嫌悪感は親から教えられる文化的なものではなく、進化の歴史のなかで遺伝子にあらかじめ組み込まれたプログラムだということがわかります。 進化論では、長くてにゅるにゅるしたものを警戒しない個体は、毒ヘビに咬まれてうまく子孫を残すことができなかったと考えます。なにかの偶然でヘビを嫌悪するようになった遺伝子だけが、進化の歴史を生き残ることができたのです。 同じことは排泄物にもいえます。ネコは自分のなわばりの中では排泄せず、終わったあとは後ろ足で砂をかけます。動物の多くがきれい好きなのは排泄物が病原菌を繁殖させ、病気の原因になることを(遺伝子が)知っているからで、不潔な場所で暮らす個体は進化の途中

    “おまるカレー”問題 週刊プレイボーイ連載(45) – 橘玲 公式BLOG
  • 「教育問題」に関するあれこれ – 橘玲 公式BLOG

    例によって、橋下大阪市長の「教育改革」構想について議論百出している。私は地雷原には近づかないことにしているし、それ以前に、小学生を留年させるとか、卒業式で起立させるとかの論争が、(どうでもいいとはいわないけれど)「教育問題」の質だとはとうてい思えない。 そこで私見として、日の公教育に関する雑感をつづってみる。 学校制度というのは、いうまでもなく、軍隊(常備軍)や監獄などとともに近代の発明だ。その目的は、子どものときから規律を植えつけることで、これまで好き勝手に暮らしていたひとびとを正しい工場労働者(や兵隊)に訓育することにある。 日を含む先進諸国で教育の崩壊が起こるのは、ポスト産業社会では、子どもたちが工場労働者向けの教育システムに意味を見出せないからだ。 私たちの社会は、子どもたちに対して、「自分の思うように自由に生きるのが正しい」「権威におもねることなく自らの意思を貫け」という強

    「教育問題」に関するあれこれ – 橘玲 公式BLOG
  • 純粋な「掛け捨て年金」はどうだろうか? – 橘玲 公式BLOG

    橋下徹大阪市長が「維新版・船中八策」のなかで、年金の積み立て方式への移行と「掛け捨て年金」を組み合わせる新しい年金制度を主張している。具体的な内容は詳らかになっていないが、年金はじゅうぶんな老後資金がないときのための保険であり、資産家や高所得者には支給しないということらしい。 「船中八策」には首相公選制や参院の廃止など大胆な項目が並んでいて、新自由主義/市場活用型の改革モデルになっている。政党としてはもちろんすべての項目で実現を目指しているのだろうが、議論をすること自体にも意味があると思うので、この耳慣れない年金制度について私見を述べてみたい。 まず原理的にいって、すべての保険は「掛け捨て」だ。もっと簡単にいうと、保険の仕組みは宝くじと同じで、賭けに外れたひとから当せんしたひとに富が移転する。当然、外れを引けば宝くじの購入代金は“賭け捨て”になる。 生命保険というのは「不幸の宝くじ」で、た

    純粋な「掛け捨て年金」はどうだろうか? – 橘玲 公式BLOG
  • 国家はもはや市場を制御することができない 週刊プレイボーイ連載(27) – 橘玲 公式BLOG

    ギリシアのパパンドレウ首相が国民投票を行なうと発表(その後撤回して新政権樹立)したことで、ヨーロッパが揺れています。 すでにいい尽くされたことですが、この混乱は、政府(財政政策)をばらばらにしたままユーロという通貨だけを共通にしたという“設計不良”によるものですから、対症療法では解決できません。この欠陥は1999年のユーロ発足のときから指摘されていましたが、ヨーロッパの政治家は耳を貸そうとはしませんでした。その構造的な歪みが、世界金融危機によって現実のものとなったのです。 もちろんギリシアの経済は、日でいえば神奈川県ほどの規模しかありませんから、たとえばドイツお金を出してギリシアの財政赤字を清算すれば“危機”はたちまち消えてしまいます。これは経済的にはもっとも被害の少ない合理的な解決法でしょうが、ドイツの有権者を納得させることができないので、政治的には実現不可能です。 そこでEUは、大

    国家はもはや市場を制御することができない 週刊プレイボーイ連載(27) – 橘玲 公式BLOG
  • こんなに若者が幸福な時代はない – 橘玲 公式BLOG

    この20年はほんとうは「幸福」だったのではないかか、というエントリーを書きましたが、それに関する興味深いデータがあるので、あわせてアップしておきます。 下のグラフ(画像をクリックで拡大)は、社会学者・古市憲寿の『絶望の国の幸福な若者たち』に掲載された図をスキャンして、わかりやすいように着色処理したものです。同書によれば、古市自身もこのデータを豊泉周治『若者のための社会学』で知ったとのことで、その後、一部の社会学者のあいだで話題になったようです。 このデータは内閣府の「国民生活に関する世論調査」によるもので、グラフを見れば明らかなように、20代男子の「生活満足度」は1970年~90年に比べて、この10年間で15%近くも急上昇しています。いまの若者は、1980年代のバブル最盛期の若者たちよりもずっと「幸福」なのです。 世間では、「グローバリズムによる格差社会で若者が不幸になった」と大合唱されて

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