北朝鮮との軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)の警戒所を訪れ、在韓米軍のビンセント・ブルックス司令官(右)と会話を交わすマイク・ペンス米副大統領(中央、2017年4月17日撮影)。(c)AFP/JUNG Yeon-Je〔AFPBB News〕 普段、安全保障とは縁遠いテレビのワイドショーまでもが北朝鮮情勢を取り上げ、米国政府による北朝鮮攻撃まで秒読みだと論じている。米国はすでに準備が完了していると述べるコメンテーターも少なくない。しかし、本当にそうだろうか。 筆者は“現時点”では、その見解には反対である。米国の先制攻撃の蓋然性はなく、可能性も低いとみている(ツイッター等でも一貫して主張してきた)。以下ではその根拠と、今後どのような場合に蓋然性が高まるのかを述べてみたい。 空母1隻では戦力不足 第1の根拠は、空母打撃群の展開状況である。 現状で西太平洋に展開する空母は、カール・ビンソンただ1