去る五月六日、SM文学界の巨星・団鬼六氏が永逝した。享年79歳、胸部食堂がんであった。 日本のエロス表現の世界に、氏が残した功績は測り知れない。月並みな表現しかできないが、この喪失は余りにも大きい。 実を言うと、ちょうど一ヶ月程前、我々は氏への取材依頼を行っていた。すでに病状が進行していたのだろう。氏のマネージャーの方から、「現在は透析及び闘病中であり取材活動を制限させて頂いている」という丁重なお断りのメールを頂いたのだが、そのメールの末尾には「また機会があれば」という言葉が記されていた。僅か一ヶ月前、だが、いまやその「機会」は永遠に失われてしまった。この“死”によって、我々は恒久的に亡き氏の後塵を仰ぎ続けることぢかできなくなってしまった。 末端ながらも同じくエロスの道をゆく者として、我々はここに、偉大なる先達への深い敬意と哀悼の意を表する。 また、以下に各界から寄せられた追悼の言葉を掲載