10月22 伊藤邦武『経済学の哲学』(中公新書) 7点 カテゴリ:政治・経済7点 ジョン・ラスキン、多くの人は名前は聞いたことはあるが具体的に何をしたのかというとわからないというような存在だと思います。 もちろん絵画に詳しければターナーの擁護者としてのラスキンを知っているかもしれませんし、デザインに詳しい人ならウィリアム・モリスに大きな影響を与えた人として、あるいは環境保護に関心のある人ならナショナル・トラスト運動の元になる運動を始めた人として名前を知っているかもしれません。 そんな多面的な活動をしたジョン・ラスキンの経済学批判を読み解き、現代社会においてクローズアップされてきたエコノミーとエコロジーの調和の問題を考えようとした本です。 著者は伊藤邦武は歴史学者でも経済学者でもなく哲学者。今までも『ケインズの哲学』などで経済学における合理性の問題などを扱い、パースやジェイムズのプラグマティ