しかも、直近では第2の大津波ともいえる欧州財政危機に襲われ、さらに経済が疲弊している。日本人にとっても他人事ではない。 ポルトガルを破壊したリスボン大震災 そもそもポルトガル人は鉄砲、ガラス、タバコ、靴下などを日本へ最初に持ち込み、西洋文明の紹介役として日本人にとって先達となった。そして今、再び日本へ向け教訓を発している。 リスボン大震災は国内の政治混迷を招き、貿易国家から内需主導型経済への転換に失敗。失われた時間は10年どころか250年。さらに国債暴落がとどめを刺した。 近年の経済政策も長期戦略的ビジョンを欠く。リスボン近くのロカ岬はユーラシア大陸の最西端。地政学的に同国は世界にとって重要な位置を占める。欧州大陸、ブラジルなど南米、そして北アフリカといずれも伝統的に緊密な関係を保ってきた。その優位性を生かし、例えば地域ハブ空港建設を大々的に推進することも出来たはずだ。これは日本にとっても