「電極を固定すると、磁石はこのように回る…」 教壇の上で、はいているスカートを腰の部分でくるくると回しながら、電磁誘導によりモーターが回転する原理を説明する。奇抜な方法ながら理解しやすく、教室内から学生の笑い声が上がる。 グレーを基調としたグラデーション模様のひざ下スカート姿で、物理学の講義を行うのは千葉大学大学院理学部の夏目雄平教授(64)だ。歩くたびに薄地の布がひらひら揺れ、とても涼しそうに見える。 「男性にも涼しくて過ごしやすい服装を考えたとき、スカートが選択肢の中にあってもいいと思った」 スカートの着用を始めたのは、電力使用量の15%削減を大口需要先に求める電力使用制限令が施行された今月1日。千葉大も例年比15%減を掲げた。 「大学でクーラーを止めれば、学生は自宅や喫茶店で勉強する。そうすれば個々の場所でクーラーをつけることになり、結果的に電力量は上がる恐れがある」