裁判官の寅子(伊藤沙莉)が法で人を裁くことの難しさに直面するドラマ「虎に翼」(NHK)。ノンフィクションライターの神田憲行さんは「放送最終月で、ある女性が実の父親に性虐待され5人の子を産まされ、結婚に反対されて家に閉じ込められた末に襲ってきた父親を殺した55年前の事件を出してきたので驚いた。実際に事件を担当した大貫弁護士に取材したことがあるが、大貫氏は法制史に残る判決を勝ち取った」という――。 「虎に翼」の最後で「尊属殺重罰規定違憲判決」が描かれる驚き まさかこの大詰めに来て、「尊属殺重罰規定違憲判決」をぶっ込んでくるとは。 「虎に翼」が残り3週になったところに、父親を殺したという美位子(石橋菜津美)という女性が登場し、いきなりデカいネタを放り込んできたことに驚いた。どうやら制作陣は戦後の法制史において、重要なポイントは全部触っていくつもりらしい。 もともと原案ともいえる清永聡さんの『家庭