*1 *2 「動物」的コミュニケーション 動物の個体間は(遺伝子によって規定された)先天的なシグナルの確実なコミュニケーションが行われ、それが群れの集団性を保つ。「動物」は個体間の秩序を集団性によって保っているといえる。ここではいわば集団そのものが個体であるとも言える。たとえば一匹のアリは個体であるが、集団で見ると、兵隊アリ、女王アリなど、先天的に特性をもち、アリの集団が一つの生き物にように秩序を持ち動いていると言える。 さらに拡張すれば、花の出す匂いが確実に蜂を引きつけ、そして受粉を行う。これらには、ある特定の花とある特定の蜂という密接な結びつきがあるものがある。これも一つの個体であるといえる。これはアフォーダンスな考え方だろう。「動物」はこのような個体性と集団性の階層的な秩序によって成り立っている。 「人間」的コミュニケーション しかし人間は動物のような確実なコミュニケーションが失われ