あーもー最高!やってくれ、どんどんやってくれ!おれは映画の中でおれのできないことをやってのける奴が好きなんだッ!せせこましく小さなことにウジウジする奴なんて、鏡の中だけで充分だッ!というわけで『アイアンマン』を観た。キャッチコピー「装着せよ―強き自分」はどうかと思うね、だってスターク社長は裸でも強いからな。ベッドの上でも最強だぜヒャッホー。 狭い世界観を打ち砕いたりもがいて見せることで大人ぶる映画が多い中、能天気なスターク坊ちゃまの周りには自分の見える世界しかない。だから「自分の役割」に気付いてみせてもおれはちっとも涙を流さない、ロボットだからマシーンだから、じゃなくて、そこには悲壮な覚悟も凄惨な意地もないからだ。ただ新しい自分を発見して面白がってる奴に贈るのは笑顔だけだろう。おめでとう、で、お前だれ?「ぼく、アイアンマン!」 ひとは他人を想像することしかできない。あいつはいい奴だ、あいつ