脳にできた膠芽腫(右上)の周囲の神経経路(色のついている部分)の3D拡散テンソル画像。画像は脳を横から見たもので、左が前。膠芽腫の症状は脳のどの領域に腫瘍があるかによって異なり、発作、頭痛、体の片側の脱力、記憶力の低下、性格の変化などがある。(IMAGE BY SHERBROOKE CONNECTIVITY IMAGING LAB, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 膠芽腫(こうがしゅ)は急速に成長する最も悪性度の高い脳腫瘍で、診断から1年以内に死亡する患者も多い。膠芽腫はアストロサイトと呼ばれるグリア細胞(ニューロン(神経細胞)を定位置に固定したり、適切に機能するのを助けたりする細胞)から始まる。最近の研究で、膠芽腫細胞は周囲の健康なアストロサイトからエネルギー生産工場であるミトコンドリアを取り込むことによって、急激に増殖していることが明らかになった。この“ミトコンドリア泥棒